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第5章 第1話 またしても道に迷うんだよ  

 サハリン最初の朝。昨日の飛行機が遅れた為に2日遊べる予定だったユジノサハリンスクが正味1日だけになってしまった。

 時間がもったいないので、早いうちから外へ出る。

 縦横に伸びる広い道路。
 広場を沢山含む建物。

 ウラジオと違って、空がとても広く見える。

 まずはサハリンへ着いたら行こうと決めていた『樺太神社』の跡へと向かう。

 が、やはり道に迷うんだなぁ。これが。

 『地球の歩き方』には樺太神社跡の記事が載っていても、詳しい場所までは記載されていないのだ。

 ウロウロ。オロオロ。
 きっとかなりアヤシイ人物に見られているにちがいない。

 ここは思いきって人に聞いてみよう。

 と、丁度、向かいから人のよさそうなおじさんが歩いてくるではないですか。丁度いい。
 おじさんはしばらく悩んだかと思うと、矢継ぎ早に喋りはじめた。さすがになにがなんやら訳わからんので、メモ帳に地図を書いてもらう事にした。
 が、この地図も訳がわからぬ。
 とりあえず、おじさんに礼を言うとなんとなくそれの方向へと向かってみる。

 言われた通りに歩いたつもりなのだが、どんどん山道奥深くへと踏み込んで行く。

 (またものたれ死にか)

 あきらめかけて腰をおろして朝食代わりのビスケットを食べていると、目の前の道を空のペットボトルを持ったおばあさんが上ってくる。おばあさんはそのまま私には目もくれず、更に細い山道を上り、茂みの中へと消えて行った。

(なんでこんな所におばあさんが?しかもペットボトル持って?)

 不思議に思い、おばあさんが上って来た道を上から見てみる。
 よく見れば神社の参道のように見えない事もない。

 (って事はこの近くに神社跡が?)

 おばあさんの消えた茂みの中へ入り山道を上ると、突然、白いお屋敷が現れた。

つづく  

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途方に暮れる私。