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第4章 第1話 空港に着いてはみたものの...  

 航空券には14:30の文字が。この時間の2時間前には空港へ着いていないといけない。

 午前9時にホテルをチェックアウト。10時の電車に乗り、ウゴリナヤ、アーテムを経由して空港に着いたのは12時過ぎだった。昨日練習していただけに全てが順調だ。

 しかし、空港に人陰はまばらだ。(脚注1)

 「そんなものなのか?ロシアの空港は?」

 12時半。搭乗手続き開始の時間のはずだが、一向にその気配がみられない。不安がつのり、カウンターで尋ねてみる。
 受け付けの女性は英語が出来なかったので(脚注2)、内線で英語の出来る人に繋いでもらい、14時半発のサハリン行きの便に乗りたい旨の事を伝える。と、何やら早口で返事が帰って来た。

 注意深く聞き、なんか「シックス、ピーエム」と言っている所は聞き取れた。

 「シックス、ピーエム??」

 どうやら飛行機は大幅に遅れ、夕方6時過ぎのフライトになるらしい。

 何てこったい。今から5時間あまり。ここで何をしろ、と。

 あまり突然の出来事になすすべもなく、とりあえず2階ロビーへ上がる。ベンチに座る。寝る。起きる。売店を見てまわる。チーズバーガーを食べる。高い。まずい。再びベンチに座る...

 あぁ、一体どうなってしまうんだろう。

 本当に飛行機は来るのか?

つづく  

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 脚注1:日本の地方空港も考えてみれば人陰はまばらだし、そんなもんかも知れない。

 脚注2:空港とはいえ、みんながみんな英語が話せる訳ではなかった。