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第2章 第3話 展望台 ゴー!ゴー!  

 眠い目をこすり、あわてて支度しロビーへと降りる。しかし、そんな時間に教師さんもその友人さんもいるはずもない。どうしよう。
 地図を見るとホテルから展望台までおよそ2km余り。行って行けない距離でもなさそう。外はまだ明るい。いちかばちか展望台まで行ってみよう!!もしかすると展望台で合流出来るかも知れないし。

 そんなこんなで起伏のあるウラジオストックの街を、展望台目指しひたすら歩く。市場を越え、繁華街を越え、ヒョンデ(現代)ホテルを越えるといよいよ坂道がきつくなってくる。

「うひゃ〜〜〜。どこまで続くねんこの道は」

 行けども行けどもひたすら坂道。猛スピードで走り去る車がホコリを巻き上げる中を歩き続ける事およそ40分。展望台到着!!

 展望台と言うから、それなりの施設があるものかと思ったら、廃虚っぽい建物と見晴らしのいい丘だけ。丘は公園っぽかったが、雑草がのびのびになってて、キレイさのかけらもない。だが、それでも展望台は展望台。そこには日没を見ようと数人のロシア人がいたものの、教師さんや友人さんはやはりいなかった。うむむ。行き違いになったのか。

(それとも、教師さんと友人さんとが共謀して、他の2人を拉致したのか?)

 不安がよぎる。

 ま、しゃーないか、と開き直り(脚注1)、せっかくなんで私もウラジオストックの夕暮れをしばし眺める。街が赤く染まっていき、一つひとつの家々に明かりが灯されていく。しばらく「ほけー」と眺める。いつまでもここで眺めていたいのだが、暗くなる前に帰らねば。今度は私が拉致されてしまう。

 そうこうして暗闇の中、おどおどしながら(脚注2)来た道を40分かけて再び来た道を歩くのだった。

意味の分からない事に『はぁ?』と言うのは万国共通なのね..

つづく

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脚注1:開き直って済む問題か??

脚注2:夜道の一人歩きはホントウに怖かった。
    街灯が少ない(って言うか無い)んよ。真っ暗。



↑黄昏れのウラジオストック