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第3話 ゲンカイナダ←  

夕方6時過ぎ。やかましいほどのドラの音が鳴り響き、出航。
船はゆっくりと岸壁を離れ、夕陽にそまる関門橋をバックに一路釜山へと向かっていく。

関釜フェリーは日本船籍と韓国船籍の船が交互に運行されているらしく、今日、私が乗った船は韓国船籍の船だった。
だから、と言ってしまうと失礼だが、いたる所がボッコボコ。

出航してまもなく甲板では韓国のおばちゃんがデッキ一杯に荷物を広げはじめた。それはテレビなどの家電品から歯磨きのような日用品に至るまで、ちょっとした小山と言ってもいい程に山積みになっている。その小山をおばちゃんは休みなくもくもくと整理しているのだ。

恐るべきパワー。韓国のおばちゃん。

なにげに船内探索を行なうが、なにせ漁船のような船内。あっと言う間に探索も終わる。で、人も少なくなってきたようなので、レストランへ立ち寄って、ちょっと遅めの晩ご飯を食べる事にした。
レストランはウオンと円の両方が使えるとの事。まぁ、韓国なのでビビンパを頼んでみた。800円。

お決まりのようにキムチとスープがついてきた。味はまぁこんなもんか、といった感じ。特に感動する事もなく、そのままカーペット部屋へと戻り、その日は就寝した。

それから数時間後。午前5時頃。
なにげに目が覚めてしまったのだが、ふと、エンジンから伝わる振動がないのに気付いた。

変に思って甲板に出てみると、目前に陸の影と町明かりが見える。
なんと、もう釜山だ。

つづく

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夕暮れの関門橋

 

 

目の前には釜山。でも、まだ入港きません。