その1 | |||
むかーしむかしのことじゃった。(※日本昔話風に) あるところに、ドイツの新婚旅行から帰ってきた夫婦がおったそうじゃ。 こともあろうにミュンヘン(※呑み屋ではない)で自宅の鍵をなくしてしまった二人は帰国後に自宅に入れず、とんだオチをかますことになってしもうた。 その後しばらくしてから、その家には女の子が生まれ、更にその2年後には男の子が生まれ、まさに「一姫二太郎」で、それなりになんとか仕事に、家庭に、励みつつ、一家は平和に暮らしておりましたとさ。 さて。 2人の子どももすくすくと育ち、娘が幼稚園の年長さん(5歳)。息子が年少さん(3歳)になった、そんなある日のことじゃ。 夫の方が、まあ、様々な理由が重なり、疲れ果ててしまったのじゃ。 病院へ行き、カウンセリングと診察を受けると、医師から当分の間の仕事の休業を言い渡され、その旨のことを記載した診断書が出されたのじゃ。 職場としても医師の診断書には従わざるを得ず、夫は思いがけず仕事の休みを得、自宅で療養をすることとなった。 一方、2人の子どもは「毎日パパがいる〜♪」と、それはそれはたいそう喜び、休む父親の背中や肩や腰や足や腹に飛び乗った上、跳ね回って、引っ張り回して、格好の遊び道具とするのじゃった…
…って、全くめでたくはないのだが。 「休め」と言われても、同僚に対して何か後ろめたい気持ちが大きく、収入の点からも少しでも仕事している方がある部分ラクなところもあるのだが。 同僚や後輩からは「旅行とかいいよ」「気分転換になるよ」など、心配してくれているのか、いろいろアドバイスをくれたのだが、当初、私自身は当初そんな気分には全くなれなかった。 しかし、一方でガラッと気分を変えて、ゆっくり過ごしたいのもまた事実。 最初は国内で、家族みんなでどこかゆっくりできる休暇村とかを考えていた。 そもそも、『独りで静かにゆっくりでき』て、なおかつ、『子どもが退屈せずに刺激のある場所』、なんて矛盾している。 そこで、まず『独りでゆっくり過ごす』と『家族旅行』とを分けて考えることにした。 「独り旅」は思いきって北海道へ行く事にした。 そして、もう一つの方。「家族旅行」 こっちは、純粋に”子どもが楽しめる場所”、と割り切って行き先を探すことにした。 北は寒いので嫌。南がいい。 じゃあ、もう、いっそのこと、海外は? 元々、私は子どもには異文化を理解できないでも、世界と言うものがあるということを教えたいと思っていたし、海外へ行くとなると長期休暇が必要になる。今後、こうした長期で休めるチャンスなんてそうはやってこないだろう。 先程も言ったように、北は寒いからパス(※ヨメ権限) 実は二人には英語教室へ行かせている(※幼稚園児のくせに)ので、予算を考慮せず本音を言えば、ヨーロッパやハワイなどの英語圏へ行かせたい。 で、行き先となりうる条件を整理すると…
この条件を満たし、まず思い付くのが、グァムとサイパン。 他には…ない。 てことで、かなり急ではあるが、こうしてグァム行きが決定したのだった。 つづく |
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