足下から広がっていた空がどんどん上へ上へとおいやられ、代わりに海水面が近付いてくる。

ドン。

軽い衝撃と共に、関西空港に到着。
帰ってきたのだ、という長旅の余韻よりも、私には何よりもしなければいけない事での焦りが強かった。

 

家のカギをあけてもらう。

 

鍵をドイツで紛失したので、このままでは家へ入れない。

入国手続きを済ましてロビーへ出るなり、一目散にインターネットコーナーへ。
鍵を開ける会社を検索して電話。
すると、すぐに来てくれるとの事だったが、今、関西空港にいるので、丁度家へ着くであろう1時間半後位に来てほしい旨伝える。

さあ、家へと向かおう...と思い、バス乗り場へと行くが、梅田行きのバスは丁度行ったばっかり。

むむむ。
次のバスはまだまだ先。
モタモタしてたら業者が来てしまう。

仕方ないので、思いきって関空特急『はるか』に乗車。
予定外の出費にちょっとショボーン。(´・ω・`)

乗客も少なく、ガラガラのはるかに乗って京都着。
なんだかんだで家へと辿り着くと、既に業者の人が待っていた。
業者の人はウチの玄関ドアを丹念に調べると、のぞき穴のレンズをいとも簡単に取り外した。

ポロッ

あいたのぞき穴に先の曲がった棒を差し込むと、手探りでドアノブのあたりを確認する。

何度かひねったのち、カチッと言う音。

ウチはダブルロックなので、もう一つの方の鍵も同様にして開ける。

この間約10分。
見事に家の鍵が開きました。

いや、すごいですねぇ。
俗に言う、「サムターン回し」ってヤツですか。
この目で見たのは初めてですよ。(フツーはそうでしょうが...)

こうして、無事に家へと帰り着き、私らのドイツ旅行はドア開鍵代16,000円也(1箇所8,000円×2)という法外な値段で終わったのでした。

 

 

おしまい

 

 

 

(脚注)
【特急はるか】
関空−京都を往復するJRの特急。値段が高い割には早くない。関空快速と新快速とを乗り継いだ方が賢いとの見方あり。