待ちに待ったドイツ旅行当日。早朝5時半出発。
朝とはいえ、2月の5時半は真っ暗け。ひとっこ一人いない街中を、スーツケース引っ張って駅へ向かってえっちらほっちらヨメと歩く。
いつもならサクサク進む道のりなのに、スーツケースがあるだけですごく遠い。

京都に住む私らは、電車で梅田まで出て、バスで関空へと向かう。午前8時過ぎ、関西空港に到着。
空港内のカフェで軽く朝食を済ませてから、出国手続きを済ませ、搭乗口へ。
卒業旅行シーズンでもあることからか、機内はほぼ満席。しかし、注意深く見ていると、ローマのガイドブックを広げる人もいたりで、ドイツに留まる人は少ない感じだ。フランクフルト空港と言えばヨーロッパのハブ空港だけに、乗り継いで他へ行く人も多いのだろう。

 

 

  

 

飛行機は富山上空から日本海を渡り、ロシア・ハバロフスク上空へ。窓の下は一面の雪景色。川も真っ白に凍ってる。
「冷たそー」とか思いつつも、ロシア好きな私にとってはたまらない♪。ここで降ろしてもらってもいいかもとか思ってしまう。

機内食は2回と、おやつ程度の物が出てくる。
まずは、離陸してしばらくして落ち着いた頃に、ドリンクとおつまみ(ナッツ類)のサービスが。
「何々...お、ビールがあるではないか。よーし。ビアプリ〜ス」
ほろ酔い気分で上機嫌♪
しかし、ここで飲んだビールが、あとでエライ目にあうとは、今は知る由もない。

日本時間でお昼過ぎ。最初の機内食。

 


エコノミー用の肉料理

 

ヨメと二人で、肉か魚かのどっちにしょうかなど話し、期待感はどんどん向上する。
しかし、どうしたことか、待てど暮らせど、なかなかスッチーがやってこない。
それもそのはず。ビジネスクラスから配っているからで、私らの席はエコノミーの最後尾から2列目。
そうそう簡単にやってくるはずはないのだ。何だ?この格差は?
そうして、待ちに待って待ち続け、ようやく私らの番に。ところが、スッチーの口から出た言葉は...

 

「beef only !」

 

なんと魚は品切れ。イヤでも肉を食べろと言う事らしい。
「今すぐ魚屋行って、買ってこいっ!」とでも言ってやりたい気分だ!

ところがところが。今度はヨメに肉を配ったところで、ワゴンの中の肉が切れたもよう。
スッチーは私に「チョットオマチクダサーイ」と言い残して奥へ。追加分を補充しに行ったのだろう。
ま、すぐに戻ってくるだろう。そして、ほっかほかのお肉がやってくるだろう.......と、思い、2分がたち、5分がたち.........。
やっぱり待てど暮らせど、いつまでたっても私のお肉はやってこない!!どーなってんの!ルフトハンザ!!
私がイライラオーラを発していると、それに気付いたか、スッチーはあわてて、しかし、できるだけあわてぶりを察知されないように、きわめて職業的かつ事務的に「チョットオマチクダサーイ!」と言い残し、再び奥へ。

 

アンタ、忘れていたね。
俺の肉を。

 

更に待ち、やっとお肉登場。と、見ると先に配られたヨメの肉とは明らかに違う。でかい。
スッチーは何にも言わんかったが、おそらく肉も品切れになったんで、ビジネス用の肉を持ってきたのではなかろうか。
う〜ん。残りモノには福がある、と言ったところか。

  
ビジネス用の肉料理

 

 食後しばらく本を読んだり、持ち込んだゲームをしてたり、昼寝したりと快適な空の旅を過ごしていたのだが、突然、激しい目まいと吐き気が!
これは、ヤバイな。と思いながらトイレへ。
ところが、そんな時に限って、トイレは使用中(お約束)
別のトイレへ行くも、やはり使用中(お約束)
そうこうしているうちに、立っているのもしんどくなって、ついにその場にダウン。
誰にも気付かれず、そのまま放置されるがままに通路に横に。もうダメかと思ったその時、ようやくスッチーが通りかかった。

(よかったっ。これで助かるっ!)

天の助けと思い、見上げてみると............やっぱり...外人スッチーではないですか。(お約束)

目まいするほど苦しくて、外人スッチーにこの事情を話せる程、気分的・体力的・精神的・そのたもろもろ的に余裕などありましぇーん。
そうこうするうちに、外人スッチーは機体のどこかかなたに消えてしまった。

(あぁ、もう、どうーにでもしてくれー)

あきらめかけたその時、やっと日本人スッチーがやってきた。おそいよー。
日本人スッチーは水を持ってきてくれたり、毛布を持ってきてくれたりと親身になってくれる。しかし、彼女の口から出た言葉は...

 

『前の方でも倒れた方がおりまして、そちらの方へいっております』

 

前の方、とはつまり、ビジネス。こんな非常事態でもエコノミーとは差別化するのね...
スッチーはどっか行ってしまい、代わりにヨメに来てもらう。あぁ。スッチィィ....。

 

  

ヨメの必死の介護(?)の甲斐もあり、症状はどんどん回復。
もしかして、エコノミークラス症候群ってヤツやったんやろか。 

フライトも10時間が過ぎ、飛行機は北欧のあたりを飛んでいる。で、2度目の食事。パスタか鳥メシかの選択。
ドイツ時間でお昼過ぎなので、軽い感じの食事。倒れたあとだったが、ペロリと平らげる。

更におやつ代わりに、おにぎりorサンドイッチが配られ、飛行機はヨーロッパ上空。
どんどん高度を下げて行き、地面が見えてきた。
広大な緑の大地にぽつりぽつりと、朱色の屋根の家が見える。
教会を中心として集落が広がり、そして、また次の集落までは緑の大地が広がる。

やがて集落はその互いの間隔をせばめて建ち、町へと広がり、鉄道や高速道路も見え始めて、高層ビルディングが立ち並ぶ大きな都市が見えてきた。

フランクフルトだ。

大阪を飛び立ち、12時間半。フランクフルト空港に着陸すると、後方から拍手が沸き起こった。
(お前ら、イナカもんか?とか思ってしまった)

 

  

 

混み合う所を避けて、少し離れた待ち合い場所に
座った私たち。いつまで経っても搭乗が始まらない
なぁと思っていたら、いつのまにやら始まってて、
あわや出航寸前。

慣れてないのに、人と違う事はするべきじゃないですね。

家から駅まで、毎日仕事行くために通る道。
慣れているから大丈夫と思い、家を出る時間を
決めていました。

ところが、スーツケース持って歩いたり、
階段を避けてエスカレーターまで回ったりしていると
思いがけない程の時間がかかるんですよね!
家を出るときは余裕をもって出ましょう。