川鉄地球館 日時計の現状

 

でっかい地球を模したドームがひときわ目を惹いた「川鉄地球館」。
目を惹いたのはドームだけでなく、屋外展示物の「フーコーの振り子」もそうですが、もう一つ忘れていけないのは同じく屋外展示物の「日時計」。
地球の自転を証明する振り子と日時計とをセットで展示するあたりは、なかなか地学マニア(何それ?)のツボを押さえているといえます。
で、振り子が西脇市に展示されているのはレポでお伝えしたとおりですが、もう一つの日時計の方も神戸市に保存されています。

と、言う訳で行ってきました。

神戸の中心街「三ノ宮」。
ポートピア開催中は会場へと向かう人で賑わったこの街から、地下鉄西神・山手線に乗ること約30分。
地下の暗闇を走っていた電車はいつしか地上に出て、まだ雑木林の残る山林を切り裂くように走り、田畑の見える谷を越え、終点の西神中央駅へ到着。
駅を降りるとそこは広いバスターミナルと百貨店。
典型的なニュータウンの中心の駅でした。

さて、目指すは「春日台公園」。
駅を降りてそのまま南西方向へと伸びる道路を直進。
いくつかの高層マンションを過ぎると、そこはもう閑静な住宅街が広がります。

広い幹線道路に、余裕を持ったつくりの歩道。
家の一軒一軒が広いっす。
一体、どんな人が住んでいるのでしょうか?

セレブでしょうか。
いいえ、こだまです。

そんな冗談を一人で考えながら(おかしいよ)、ふと家の門を見ると「不審者多発注意」の看板が。
私も不審者の一人なのでしょうか?
他にすれ違う人も殆どいない歩道を歩き、途中で交差点を右折して、駅から計1.5km。約20分。春日台公園に到着。

公園には誰もいません。
遊んでいる子どもはおろか、ベンチでアンドーナツをほおばっているサラリーマンの姿も見えません。

公園に入るとすぐにそれらしき黒々とした鋭角状の突起物が見える。

日時計だ。

真夏の強烈な日差しを受けて、日時計はまさにその使命を果たすように、台座に影で今まさにその時を刻んでおります。
私の時計と比べると…うん、確かに概ね合っておりますw

台座の12の部分にレリーフがはめられてあり、この場所が東経135度の子午線上にあること(実際、Googleマップの座標も「135」度になっている)、そして、この日時計がポートピアで展示されていたことが記述されていた。

何もポートピアのことに触れられていない「ガラテ館」とはエライ違いだ。

台座は柵も何もないので、ちょっと失礼して上がってみる。
原っぱは夏の日差しを浴びて雑草が伸びきっているが、丁度子午線上のラインだけは草が生えないようにされてある。
そのため、日時計の先からビームが伸びるように子午線の位置が目でわかる。
神戸市め。
なかなかニクイ演出ではないか。

原っぱは草野球ができるくらいの広さではあるので、季節がよければ沢山の子ども達がそこで遊ぶのだろう。
そして、日時計で時間を確かめる。
現実的には時計を見る方がより時間は正確なのだろうが、日時計と言ういにしえの人々が時間を調べるその道具を、現代の子ども達は興味をもって見て、触り、地球と太陽との関係を知ることができる。
遺跡にも見えるアナログな日時計は単なるモニュメントだけにとどまらず、時間を伝え、子どもに科学への興味を与える生き証人でもあるのだろう。

そして今まさに佇むこの場所は土砂を削って造成してニュータウンとなった。
その土は、海へと還り、ポートアイランドとなったのである。
そのいわば生まれた地に日時計が還るのも、何かの巡り会わせであろう。

※レポート:2011年7月

googleマップ 座標
34.714873,135.001223

春日台公園へのアクセス
(電車・バス・徒歩)
 神戸市営地下鉄西神・山手線乗車。西神中央駅下車
 ※徒歩の場合、西神中央駅より南西へ約1.5km。 およそ20分。
 ※神姫バス明石、西明石行き乗車。美加多台4丁目下車。
 
 JR西明石、明石駅より神姫バス西神中央駅行き乗車。美加多台4丁目下車。

 

 

閑静な住宅街の中のとある公園…

 

あの中央に見える三角形は、もしや…

 

日時計、発見〜

 

その鋭角の先は子午線が伸びる

 

日時計の『12』のところに記念のパネルが

 

今日も真っ直ぐに時を刻む