芙蓉パビリオン メタセコイアの現状 |
博覧会の醍醐味は内容展示物や映像もさることながら、各社工夫を凝らしたその建物の形を見るのも一つの楽しさとも言えよう。 複雑な形やデザインに拘ったり。 そんな中、芙蓉グループはパビリオン形状にエアドームを採用。 大阪万博のアメリカ館などにもみられ、現在では東京ドームが有名な建築様式だが、芙蓉グループパビリオンは膜に半透明の素材を使い、"植物をメイン””温室である”ことを強調しており、非常に印象的なパビリオンのひとつだったと思う。 さて、植物で溢れている館内であるが、その中でもメインとなる展示物が”メタセコイア”の輪切りの標本。 生きた化石とも言われるメタセコイア。その寿命は大変長く、1000年を超えるものもあると言う。 館内にはメタセコイアを輪切りにした標本が展示されていたのだが、とにかくバカでかい。 ポートピア‘81全体としてみても、代表的な展示物の一つであったのだろう。閉幕後に発行された記念写真集には当時小学生だった紀宮様がメタセコイアと共に映っている写真が掲載されてることからも伺える。 で、そのメタセコイア。 記念資料集を見ていると、閉幕後は神戸市に寄贈されたとの記載が。 早速ネットで検索をしてみると、神戸市立森林植物園に移設されて展示されていることがわかった。 なんと便利な時代になったものだw 場所がわかったので早速神戸へ。 前回の小野市好古館の時と同様、神戸鉄道に乗車。北鈴蘭台駅で下車。 ホームページを見ると、北鈴蘭台駅前から無料送迎バスが出ているので乗車ポイントへと向かうが… 惜しくもバスが出発したあと。 仕方なく次のバスを待つ。 もしかして歩いた方が早いのかなぁとか思ったのだが、いつもそうやって道に迷うのでここはバスが来るまで我慢。 やがて私の他にも森林公園へと向かう人が続々と集まり、バスが着た頃には15人ほどの行列になっていた。 バスが到着。待っていたとばかりに乗客がゾロゾロと乗車する。 バスは六甲の坂道を上り下りし、一路森林植物園へ。
住宅地を抜けると、道路の左右には雑木林しか見られない。 「やはり歩かなくて良かった…」とホッとし、バスは10分ほどで森林植物園へ到着。 山の上にあるせいか、少し涼しい。 地図を見ると結構広くて散策コースが設けられているためか、年配のグループがわりといるように見受けられる。 ゲートで入場料を支払い、公園の中へ。 正面に管理棟のような建物があるので、中へと入ってみると…
何の前触れもなく、建物の中央にバカでかい輪切りの大木が。 これだよ。間違いない。 メタセコイアの標本。 標本の下部にはセコイアについて記した説明書きと共に、プレートが。 そのプレートには”寄贈 芙蓉グループ”との文字が記されている。 改めて標本を見渡すと、一本の樹木としてみると相当な大きさであり、改めてものすごい年月を経てこれだけ成長したのだと感じさせられる。 年輪に沿って、西暦で何が起きた年なのかが表示されていて、それがよけいに年月の長さを視覚的にも感じさせている。 標本の周りにはベンチが置かれ、これから山歩きをする人、散策から戻ってきた人それぞれが休憩を取り、メタセコイアを眺めている。 ポートピアでは展示物として流れるように多くの人の目に止まったメタセコイアが、今は休憩所として、ゆっくりと人々の安らぎの場となっていることに、適切な安住の地を得たなと感じるのだった。 (※館内の画像は許可を得て撮影しております) ※レポート:2015年4月
神戸市立森林植物園へのアクセス (車) |
今回の最寄り駅。神戸電鉄北鈴蘭台駅。
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