苦笑い

からっきしダメな手をうつ
役職だけのでくの坊
免疫という名の感覚麻痺に溺れ

失ったものに気付かずに時は過ぎる
「この仕事にも慣れたかい
君いつまでもそんなふうじゃダメだよ」って

ありがたい上司のお言葉に苦笑い

見せ掛けだけが目をひく
役立たずなアイデア
刺激という名の麻薬に溺れ

変わらないことに気付かずに時は過ぎる
「新しいこのプロジェクトは
かつてない規模で進んでいるんだよ」って

焼き直し企画にゆれる会社に苦笑い

僕がこだわっていることや
本当の意味の新しさや
大切なものをなくしそうで不安になって

久しぶりの休日を前に
ほんとはすがるような気持ちで
僕は君に電話をかけているんだよって

もう少しで愚痴を言いそうで苦笑い